大人世代の出会い・恋愛・結婚コラム

寄り添えるパートナー、中高年の友達以上恋人未満

中高年になってひとりで生活する。もちろんそれが悪いことではありませんが、今後のことを考えると一抹の不安があるのは言うまでもありませんよね。しかも、実質的なことだけではなく精神的にも、あまり良い状態とは言えません。

そこで今注目されつつあるのが「友達以上恋人未満」の関係。即物的な恋愛感情ではなく、緩やかな絆の中で寄り添えるパートナーというものが、中高年の間で密かなブームのようになっているのです。今回はそんな友達以上恋人未満な関係に迫ってみましょう。

中高年の負う「おひとりさま」リスク
まずは中高年にとっては切実な単身世帯、つまり「おひとりさま」のリスクを見ていきましょう。

・いわゆる独居老人になる
今はまだ大丈夫でも、そのままの状態が続けば、いわゆる単身高齢者世帯「独居老人」になります。この独居老人という生活単位こそがすべての元凶であり、大きなリスクを伴う生き方になっているのです。

・わかりやすいリスク
わかりやすいリスクとしては、いわゆる孤独死や介護、怪我や病気の問題。一人住まいの高齢者となれば、自分の生活を自分だけで切り盛りしなければいけませんので、とうぜんこういったリスクは考えなければいけません。本当は助かったような病気や怪我でも、そこに人がいないことで死亡するケースは少なくないのです。

・見えにくいリスク
見えにくリスクとしては、経済問題と精神面の問題があります。まずは経済に関してですが、昔から「一人扶持は食えないが二人扶持食える」という言葉があるように、一人暮らしより二人暮らしのほうが実は経済的に楽です。食費光熱費、そして家賃。これらを折半でき無駄も少ないのがその理由です。

そして精神面。
一人暮らしの高齢者は社会と隔絶しやすく、とうぜん他人との会話も極端に減少します。その結果、うつなどの精神疾患やアルツハイマーなどの認知症を発症するリスクが高まるという側面もあります。

友達以上恋人未満という選択
中高年単身者を待ち構える独居老人という現実。そこで最近注目を浴びているのが「友達以上恋人未満」という考え方です。

・血縁ではない同居人という選択
現在、単身高齢者世帯が増えている一番の原因は離婚や死別。しかし、今後一気に増えることが予測されているのは、いわゆる未婚の単身者の高齢化であり、そうである以上血縁との同居という選択肢は、最初から存在しない場合が増えてきます。そこで注目を浴びているのが血縁以外の同居人、ということになるのです。

・結婚というリスクヘッジ
血縁以外との同居となるとまず思いつくのが結婚。もちろん、中高年の結婚は大いに推奨しますし、できるのであればするべきだとは思うのですが、若年層のそれよりもハードルが高いのは言うまでもないこと。

しかも結婚の場合、結びつきは強いのですがそれゆえに、関係性の破綻がもたらすリスクも高くなります。繰り返しますが、結婚という選択肢は悪くはありません、むしろ勧めたい。しかし、誰にでもできるものではないという現実は、認識しておきたいですね。

・友達以上恋人未満というカタチ
血縁者に頼れず結婚も難しい。そこで、にわかにその有用性が認められているのが友達以上恋人未満という関係性です。つまりそれは、親友のような関係性でともに暮らしていく、もしくは、若者の間では普通になりつつあるシェアハウスという概念で生活するということ。こういう緩やかな絆が中高年の間で流行りつつあるのです。

・同居に限らない共助の精神
この友達以上恋人未満の関係は、別に同居に限るものではありません。例えば、法律上の婚姻関係を有さない、また同居をするわけでもないので内縁関係でもない「別居伴侶」というものを持つ人も増えてきています。

この関係は、同居はしませんが、定期的にお茶をしたり電話で話したりという関係性。そして、もし互いに何かあったときには、助け合うという共助の精神で維持されている関係です。

恋愛をしなくてもいいという気軽さ
友達以上恋人未満の関係の一番のポイントは恋愛をしなくてもいいという気軽さ。中高年になるまで見込んできた人のなかには、恋愛という関係性を築くこと自体が億劫で、得意ではない人もたくさんいらっしゃいます、それはもはや少数派ではありません。

しかし、友達以上恋人未満の関係なら、この恋愛自体が億劫で得意ではない同士の間でも成立しやすいのです。そして、その関係は、老後の大きな助けになる。実質的なリスクを減らすと言うだけではなく、ただ単純に異性の方と楽しく老後を過ごしていきたいという重いのもしっかりと答えることのできる関係なのです。

友達以上恋人未満にとどまる必要はない
友達以上恋人未満の関係は、別にそこにとどまっておく必要もありません。むしろ、恋愛が不得意で億劫な人にとって見れば、一度そういう関係性の『クッション』を使うことで、恋愛や結婚につながる可能性もみえてきます。

また、もちろん関係を解消して他の人を探すという点においても、恋愛や結婚より楽。これからの人生、老後をともに生きる人をより気軽に簡単に探すために、友達以上恋人未満の関係を色々試してみるのもありだと言っても良いでしょう。


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